LEDビジョンのサイズと解像度の決め方|会場の奥行きが基準

広い劇場の舞台で、俳優3人が暖色の照明とLED背景の前で演じる利用イメージ

「どのくらいの大きさにすればよいか分からない」。LEDビジョンのご相談で、最初に伺うのがこの言葉です。答えは会場にあります。最後列までの距離、舞台の幅と高さ、そして映す内容。まず、よくいただく「どのピッチが一番汎用性が高いのか」にお答えし、屋外の風と劇場の吊り荷重という2つの条件に触れてから、幅1m×高さ0.5mのパネルで組む大きさと、解像度の考え方を順にご説明します。

目次

ピッチサイズは、汎用性の高いP3.9。最前列4m・最後列は画面の高さの6〜8倍

「最前列と最後列の距離を考えたとき、どのピッチが一番使い回しが利くのか」。イベント会場でLEDパネルをお探しの方から、この形のご質問をいただきます。結論として、屋内外を問わず一般的な催しであれば、ピッチ(横の発光点の間隔)が3.9mm前後のP3.9が、最も汎用性の高い区分だと当社は考えています。当社の機材もこの区分です(縦の間隔は、下の「P3.9の解像度」でご説明します)。

理由は、近い席と遠い席で、効いてくる要素が違うからです。

  • 最前列の見え方を決めるのはピッチです。一般に言われる目安として、ピッチの数値(mm)をそのままメートルに読み替えた距離より離れると、発光点の粒が気にならなくなります。P3.9なら約4mです。メーカーの回答(2026年9月)でも、当社機の最短視認距離の目安は約4mです。
  • 最後列の見え方を決めるのは画面の高さで、ピッチではありません。最後列までの距離が画面の高さのおよそ6〜8倍以内に収まると見やすい、というのが一般に言われる目安です。

つまり、最前列が画面から4m以上離れていて、最後列までの距離が画面の高さの6〜8倍以内に収まる大きさを選べば、会場の前の席から後ろの席まで無理なく見えます。ホール、体育館、展示会場、屋外の地域イベントの多くはこの条件に収まるため、P3.9は用途をまたいで使い回せます。

同じ目安で考えると、これより細かいP2.6以下は、手を伸ばせば届く距離で細かい文字を読ませる用途(受付の案内板、店舗の内装)に向きます。逆にP6以上は、最前列が6m以上離れる屋外の大型広告に向く区分で、客席の近い会場では粒が見えます。いずれも一般に言われる区分の話で、当社が扱うのはP3.9です。

倍率と視認距離は、いずれも一般に言われる目安、またはメーカーの目安値です。保証値ではありません。映す内容、会場の明るさ、客席の段差で見え方は変わります。

屋外の催しでは、風が抜けるかどうかを見る

屋外では、ピッチより先に風を見ます。画面は風を受けるため、大きいほど支持設備と重り(ウエイト)の負担が増え、倒れる危険が上がります。

当社のパネルは、発光点の行を縦に1行おきにした通風メッシュ構造です。行と行の間の隙間を風が抜ける通風・透光タイプ(透過率40%)で、面で風を受ける密閉タイプではないため、キャビネット自体が受ける風の荷重が下がります。メーカーの回答(2026年9月)では、自立トラス・高さ10mまでの構成で安全使用風速20m/s(平均風速)とされており、この値は、現在当社が持っているパネル(通風メッシュ構造)での値です。画面に遮光板を付けると受ける風の荷重が大きくなり、許容できる風速は下がります。

実際に組める高さと許容風速は、会場の支持設備、重りの量、当日の気象で変わります。日差しを避けたい場合は、画面に板を付けるのではなく、テントや屋根、日陰になる向きで対応します。

劇場では、バトンの許容荷重に収まるかを見る

劇場・ホールでは、美術バトンや電動バトンへ吊る構成が基本です。ここで効くのは重さです。当社のパネルは1枚(幅1m×高さ0.5m)7.5kg±5%で、1㎡あたりおよそ15kgになります。画面の大きさごとの、パネルだけの重量は次のとおりです。

画面の大きさ幅×高さ枚数パネルだけの重量幅1mあたり
6㎡3m×2m12枚約90kg約30kg
10㎡5m×2m20枚約150kg約30kg
20㎡8m×2.5m40枚約300kg約38kg
28㎡8m×3.5m56枚約420kg約53kg

重量は、メーカーが示す1枚7.5kg±5%の中心の値から計算したものです。上振れすると28㎡で約441kgになります。購入した個体の実測値ではありません。これに吊り金物、トラス、ケーブル、制御機器の重量が別に加わります。バトン1本あたりの許容荷重、1mあたりの許容荷重、使える吊り点の位置を、会場の担当者に必ずご確認ください。当社が会場の許容荷重を保証するものではありません。

吊るか、床から支えるかの考え方は吊りと自立の違いにまとめています。

最後列までの距離で、必要な画面の高さが決まる

画面が大きいかどうかは、一番遠い席から見て決まります。一般に言われる目安として、映像を見せる用途では、最後列までの距離が画面の高さのおよそ6〜8倍以内に収まると見やすいとされます。細かい文字を読ませるなら、この倍率はもっと小さくする必要があります。

会場の奥行きを当てはめると、次のようになります。奥行き15mのホールなら、高さ2m前後。奥行き20mなら、高さ2.5m前後。奥行き30mの体育館なら、高さ3.5m前後。この高さを、横の広がりと組み合わせて画面を決めます。

倍率は一般に言われる目安で、当社機の性能を示す値ではありません。会場の形、客席の段差、映す内容で最適な大きさは変わります。

1m×0.5mのパネルで組める大きさ。横1m刻み・縦0.5m刻み

当社のパネルは幅1m×高さ0.5mです。横は1m刻み、縦は0.5m刻みで組み合わせます。1㎡が2枚で、最大は28㎡(56枚)です。当社の料金比較で代表例にしている4つの大きさは、次のとおりです。

画面の大きさ幅×高さ枚数向く会場の例
6㎡3m×2m12枚奥行き15m前後の小ホール、教室の発表
10㎡5m×2m20枚展示会の主催者ブース、地域イベントの舞台
20㎡8m×2.5m40枚奥行き20m前後のホール、体育館の舞台
28㎡8m×3.5m56枚奥行き30m前後の体育館、大ホールの背景

表にない組み合わせも、横1m・縦0.5m刻みなら組めます。幅6m×高さ2mなら24枚(12㎡)、幅4m×高さ2.5mなら20枚(10㎡)といった形です。ただし、支持設備の許容荷重と吊り点、舞台の間口と高さで上限が決まります。

P3.9の解像度。縦の細かさは横の半分

当社のパネルは、発光点の間隔が横3.91mm・縦7.81mmです。縦は、発光点の行を1行おきに飛ばした通風メッシュ構造で、風を通し、パネルを軽くするための形です。ピッチの呼び名に使うのは横の値で、P3.9と表記しますが、縦は3.9mmではありません。1枚(幅1m×高さ0.5m)の画素数は256×64で、1mあたりにすると横256・縦128、縦の画素は横の半分の細かさです。

3.91mm7.81mm隙間
正面から見た発光点の並び。点線の丸は、1行おきに飛ばした行の位置(隙間)です。
風風発光点の行
横から見た形。行と行の間の隙間を、風が抜けます。
当社のパネルの模式図です。発光点と隙間の形・大きさは実物どおりではありません。間隔の値(横3.91mm・縦7.81mm)はメーカーの仕様です。

この数で計算すると、幅5m×高さ2mの画面は横1280×縦256の画素、幅8m×高さ3.5mの画面は横2048×縦448の画素になります。これは画面が持っている画素の数で、映像を作るときの大きさではありません。映像はふだんどおりの縦横比で作っていただき、縦の調整は当社の制御機器で行います(3m×2mなら、パソコンから768×512で出していただき、画面には768×256で表示。映像の縦2行が画面の1行になります)。一般的なフルHDの映像(1920×1080)と画面の縦横比が異なるため、映像を画面いっぱいに映すか、周囲に余白を残すか、上下を切り取るかは事前に決めます。文字の多い資料を映す場合は、この決め方で読みやすさが大きく変わります。

2行768×512
パソコンから出す映像(3m×2mの例)。ふだんの縦横比のまま作ります。
1行768×256
画面の画素。制御機器で高さを50%にするので、映像の縦2行が画面の1行になります。
当社の模式図です。線の数は実際の画素の数ではなく、縦の行が半分になる関係だけを表しています。

縦の画素が少ないため、細い線や小さな文字は潰れやすくなります。文字は大きめに作ってください。

通風メッシュ構造と縦の画素の詳しい説明、ピッチと見る距離の関係は、ピッチ(P3.9)とは何かにまとめています。

舞台の間口・高さと、吊り点で上限が決まる

会場の奥行きから決めた大きさが、必ず組めるとは限りません。画面は支持設備から吊るため、次の3つで上限が決まります。

  • 舞台の間口と天井の高さ。画面の下端が演者の頭より上に来る高さを確保できるか。
  • 支持設備の許容荷重と吊り点の位置。美術バトンなら本数と使える位置、トラスなら組立済みの寸法。
  • 客席の最前列との距離。P3.9では、一般に言われる目安として4m以上離れて見る用途に向きます。

パネルの重量は、メーカーの回答(2026年9月)で1枚(幅1m × 高さ0.5m)7.5kg±5%です。吊り荷重の目安はこの値で計算しており、購入個体の実測値ではないため、未確認の項目を含む荷重を確定値として扱いません。

当社の決め方。自動見積もりで大きさを変えながら、税込総額を比べる

当社では、大きさを一つに決めてから見積もるのではなく、大きさを変えながら税込総額を比べていただく形にしています。会場の本予約が済んでいれば、画面の大きさは仮でも始められます。

参考に、土日祝の本番1日・神奈川県・支持設備組立済みの固定条件では、6㎡(12枚)で292,380円、10㎡(20枚)で410,300円、28㎡(56枚)で869,440円です(2026年12月31日までに全額のお支払いが確認できた場合・税込)。施工費は画面の大きさで決まり、1㎡増えるごとの上がり幅は、大きな画面ほど小さくなります。途中で急に上がる段差はありません。内訳は料金の内訳と料金のページをご覧ください。

よくある質問

会場の奥行きが分かりません。何を調べればよいですか

会場の平面図があれば、舞台の前端から最後列までの距離を測ります。図面がない場合は、会場の担当者に「舞台から一番後ろの席までおよそ何メートルか」を伺うだけでも大きさの目安が立ちます。

16:9の映像を、そのままの比率で映せますか

横1m・縦0.5m刻みのため、16:9と完全に一致する大きさは組めません。幅7m×高さ4m(28㎡)や幅5m×高さ3m(15㎡)のように近い比率にするか、周囲に余白を残して映すか、上下を切り取るかを事前に決めます。文字の多い映像は、余白を残す方法が読みやすくなります。

大きくしすぎると、どんな困りごとがありますか

舞台の間口や天井の高さに収まらない、支持設備の許容荷重を超える、最前列の席から近すぎて発光点が目立つ、といったことが起きます。大きさは会場の条件と合わせて決めます。

途中で大きさを変えられますか

自動見積もりの段階では何度でも変えられます。申込の後に変える場合は、あらためて見積もりをお出しし、双方で確認してから進めます。

次にすること。自動見積もりで大きさと税込総額を比べる

会場の本予約が済んでいれば、画面の大きさが決まっていなくても始められます。奥行きから見当をつけた大きさを入力し、前後の大きさと総額を比べてください。

自動見積もりを始める

会場の図面や設備の資料は、お問い合わせフォームから分かる範囲でお知らせください。

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