「電源はどのくらい必要ですか」。会場の担当者からよく聞かれる質問です。答えは画面の大きさと機材の仕様で決まりますが、その前に確認しておくべき手順があります。この記事では、会場側で確認すること、メーカーの仕様書のどこを見るか、当社の値をいつ・どこでご案内するかを整理します。目安を先にお伝えすると、当社機の場合、10㎡の画面を屋内で使うなら平均1,200Wほどで、制御機器の分も含めて15Aのコンセント回路(平行)2つです。屋外の日中のように明るさを上げて使う時は、最大3,600Wで4つです。ほかの大きさは、下の「画面の大きさごとの、必要な電力と100Vの回路数の目安」の表にまとめています。
最初に会場へ聞く3つのこと。種類・容量・取り出し位置
電源の話は、必要な量を計算する前に、会場に何があるかを知ることから始まります。次の3つを会場の担当者に確認してください。
- 使える電源の種類と容量。一般のコンセント(100V)だけか、舞台用の大きな容量の電源盤があるか。電源盤があるなら、電圧と容量(アンペア)の表示。
- 取り出し位置。電源盤やコンセントが、画面を設置する場所からどのくらい離れているか。舞台の上手・下手どちらにあるか。
- 他の機材との分け方。照明・音響が同じ電源盤を使うか。同じ回路に集まると、容量を超えて遮断される原因になります。
この3つが分かれば、画面の大きさが決まった時点で、必要な量が足りるかを当社でも確認できます。
メーカーの仕様書のどこを見るか。最大・平均・入力電圧の3か所
LEDパネルの仕様書には、電源に関する数値が複数並んでいます。見るのは主に3か所です。
| 仕様書の項目 | 意味 | 何に使うか |
|---|---|---|
| 最大消費電力 | 画面全体が白く最も明るく光ったときの電力 | 電源容量が足りるかの判断。この値で計算します |
| 平均消費電力 | 通常の映像を映しているときの平均的な電力 | 電気代や発熱の目安。容量判断には使いません |
| 入力電圧 | パネルが受け付ける電圧の範囲 | 会場の電源(日本では100Vまたは200V)に合うかの確認 |
数値は「1枚あたり」または「1㎡あたり」で書かれています。1枚あたりの値なら枚数を掛け、1㎡あたりの値なら面積を掛けて、画面全体の最大消費電力を出します。当社のパネルは1枚0.5㎡なので、どちらの書き方でも換算できます。
最大と平均の違い。屋内は平均、屋外の日中は最大で見込む
LEDビジョンの消費電力は、映す内容と明るさで大きく変わります。黒い背景に白い文字だけなら電力は小さく、画面全体が白い映像を一番明るい設定で映すと、最大に近づきます。屋内のホール・宴会場・展示会場では、まぶしくならないよう明るさを半分以下に下げて使うのが普通で、最大に近づくことはまずありません。そのため屋内では、メーカーの平均消費電力で電源を見込みます。屋外の日中のように明るさを上げ、白い映像も多い時は、最大消費電力で見込みます。
電力(W)から必要なアンペア(A)を出すには、電力を電圧で割ります。100Vの電源で1,500Wなら15Aです。一般の家庭用コンセントは1回路15Aで、定格は1,500Wです。長い時間つなぎ続ける機材では、その8割の1,200W程度までで見ます。大きな画面では、この1回路では足りません。
一般に言われる目安と、当社機の値の扱い
一般に言われる目安として、屋内用のLEDビジョンの最大消費電力は1㎡あたり数百W程度とされます。この目安に従えば、10㎡の画面では数千W、28㎡ではさらにその3倍近い規模になり、一般のコンセント1回路では足りず、舞台用の電源盤からの供給が前提になります。
当社のパネルは、最大消費電力360W/㎡・平均120W/㎡、入力電圧AC100〜240V(50/60Hz)です(2026年9月メーカー回答・当社納入分の確定値)。1枚(0.5㎡)に換算すると最大180W・平均60Wです。実際の消費電力は映像の明るさで変わるため、電源の容量は最大値で見込みます。仕様は機材のページにもまとめています。
見積もりの段階で会場の電源情報をお知らせいただければ、画面の構成が決まった時点で、当社でも必要量を確認してお伝えします。
画面の大きさごとの、必要な電力と100Vの回路数の目安
当社機の消費電力は最大360W/㎡・平均120W/㎡です。当社は通常、会場の100Vの電源で受けます。電力(W)を電圧(100V)で割ると、必要な電流(A)が出ます。
劇場・ホールで「平行(へいこう)」と呼ばれるのが、一般的な100Vのコンセント回路です。1回路15Aまたは20Aで出していただくのが基本で、30Aの系統から15A・15Aへ分岐していただく形でも構いません。ただし、大きな系統から15Aの平行へ分ける機器(分岐の電源盤)は、当社では持っていません。会場に無い場合は、当社で別にレンタルして持ち込むため、その費用が加わります。画面の大きさごとに必要な量を並べると、次のようになります。
| 画面の大きさ | 枚数 | 平均(120W/㎡) | 屋内で会場へお願いする回路 | 最大(360W/㎡) | 屋外の日中に会場へお願いする回路 |
|---|---|---|---|---|---|
| 6㎡ | 12枚 | 720W | 15Aの平行を2回路 | 2,160W | 15Aの平行を3回路 |
| 10㎡ | 20枚 | 1,200W | 15Aの平行を2回路 | 3,600W | 15Aの平行を4回路 |
| 20㎡ | 40枚 | 2,400W | 15Aの平行を3回路 | 7,200W | 15Aの平行を7回路、または30Aの系統3つと平行1回路 |
| 28㎡ | 56枚 | 3,360W | 15Aの平行を4回路 | 10,080W | 舞台用の電源盤から30Aの系統を5つ以上と、平行1回路 |
回路数は、先に述べたとおり定格の8割で数えています。15Aの回路なら1回路1,200Wで割りました。20Aの回路は1本あたり1,600W程度、30Aの系統は2,400W程度までです。映像を受けて画面へ配る制御機器の分として、平行1回路も加えた数を載せています。屋内の欄は平均の値で、屋外の日中の欄は最大の値で数えました。電源を入れた瞬間は一時的に大きな電流が流れるため、端数は切り上げて余裕を持たせています。
「平均」と「最大」はパネルだけの値です。回路の欄には、制御機器の分の平行1回路を含めています。
どの回路へ何枚つなぐかは当社が現場で分けます。会場へは、合計の容量と、取り出し口の数・位置をお伝えいただければ十分です。屋外の日中に20㎡を超える画面を使う時は、平行を並べるより、舞台用の電源盤から系統ごと分けていただくほうが確実です。
会場の担当者へは、次のように伺うと話が早く進みます。
「LEDビジョンで◯◯Wほどを使います。100Vの平行を◯回路、舞台の◯手から出していただけますか。照明・音響とは別の系統でお願いします。」
最大値は、画面全体が白く、一番明るい設定で光ったときの値です。屋内で明るさを下げて使う時は、平均の欄に近い値か、それ以下で推移します。
配線経路と延長。主電源線は20mが基本
電源の取り出し位置から画面までの距離も確認が必要です。当社の主電源線と主信号線は20mのものを用意しています。取り出し位置から画面までが20mを超える見込みの場合は、事前にお知らせください。延長の方法と分担を確認します。
配線は、客席や避難経路を横切らない経路を選び、床を通す場合は養生します。舞台の上手・下手のどちらから配線するかは、電源盤の位置と映像を出す再生機器の位置で決めます。
当社の手順。見積もり時に伺い、構成確定後に当社でも確認
- 自動見積もりまたはお問い合わせの際に、会場の電源の種類・容量・取り出し位置を分かる範囲でお知らせいただきます。「未確認」のままでも構いません。
- 画面の大きさと枚数が決まった時点で、当社が必要な電力量を確認し、会場の電源で足りるかをお伝えします。
- 足りない場合は、画面を小さくする、別の回路から取る、会場側で電源を増設するなどの選択肢を、会場の担当者とご相談いただきます。
- 本番の1か月前を目安に、電源の取り出し位置と配線経路を、タイムテーブルとあわせて確定します。
よくある質問
普通のコンセントだけの会場でも使えますか
画面の大きさによります。一般のコンセントは1回路15A(定格1,500W)で、大きな画面には足りません。当社機は最大360W/㎡なので、10㎡の画面で最大3,600W、28㎡で最大10,080Wを見込みます。会場に舞台用の電源盤があるか、複数の回路を分けて使えるかを確認してください。
発電機を持ち込む必要がありますか
屋根のある会場で舞台用の電源盤があれば、通常は不要です。電源が無い会場や容量が足りない場合は、電源の手配を含めて個別にご相談ください。発電機の手配は当社のレンタルには含みません。
照明や音響と同じ電源を使っても大丈夫ですか
同じ回路に集まると容量を超えて遮断される原因になります。LEDビジョン用に別の回路を確保できるか、会場の担当者と照明・音響の担当者に確認してください。
電源のことが全く分かりません。誰に聞けばよいですか
会場の施設担当者または舞台担当者が、電源盤の位置と容量を把握しています。「LEDビジョンを吊りたいので、舞台で使える電源の容量と位置を教えてほしい」と伺えば十分です。分かったことを当社にそのままお知らせください。
次にすること。会場の電源情報を添えて、自動見積もりへ
会場の本予約が済んでいれば、電源が未確認のままでも見積もりは始められます。画面の大きさと総額を比べながら、電源の確認を並行して進めてください。
自動見積もりを始める電源盤の写真や設備資料があれば、お問い合わせフォームからお知らせください。

